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執筆者の写真Misawa Sayaka

【第十九日】鐵 百合奈アンサンブルコンサート

シューマンはこんなに魅力的だった ─────

鐵 百合奈が誘うシューマンの世界

2018/2/25

こけら落とし【第十九日】鐵 百合奈サロンコンサート

〜オール・シューマンによるアンサンブルの午後〜

今回はなんと・・・ オールシューマンプログラムでした!!

<プログラム>

パガニーニの奇想曲による6つの演奏会用練習曲 Op.10 より 第2番(piano)

幻想小曲集 Op.73 より 第1楽章、第3楽章(cello)

3つのロマンス Op.94 より 第1曲、第2曲(violin)

おとぎの絵本 Op.113 より 第1楽章、第2楽章(viola)

ピアノカルテット Es dur Op.47(violon&viola&cello&piano)

それぞれの楽器のソロからカルテットまで

"贅沢"の一言です。

昨年8月、鐵さんが当サロンにて初めて演奏をされた際、シューマンのソナタ第3番に電撃が走ったように衝撃を受けたのを覚えております。

鐵さんのピアノは、叙情的で繊細な線を一筆箋で描くようなロマンティックな旋律に、思わずため息が出てしまうくらい、うっとりしてしまいます。

そういう意味では「シューマンが合っている」と勝手ながら感じておりました。

今回の演奏会では、鐵さんのピアノソロはもちろん、 さらに、弦楽器も加わり、シューマンの深淵な精神を熱く訴えかけるようでした。

また、それぞれの楽器のソロが続くなか、珍しくヴィオラがメインの曲を聴くことができました!!

さらにヴィオラ奏者の渡部咲耶さんが、とても印象的なことを話してくださいました。

「本当はヴィオラという楽器はもう少し大きく作られるはずの楽器だったのですが、これ以上大きくなってしまうとこのように持って演奏できなくなってしまうので、この大きさになりました。 そういう意味では、ヴィオラは完成された楽器ではないと言われることもあります。 発音もヴァイオリンやチェロよりも発音しにくいですし… ですが、人間の声に一番似ている楽器とも言われることもあります。 人間も完成された人なんていませんよね、私も含めて。(笑) ですので、そういうところに魅かれるのだと思います。」

演奏家さんはみな、自分の演奏する楽器を愛し、なぜ感動するのか?こんなにも魅かれるのか?

それらの答えを見つけたくて、追求しているのだと気づきました。

最初はなにが素晴らしいのか、なぜ感動するのかもわからないままスタートし、 続けていくことで自分なりの答えを見つけて行くのではないでしょうか。

演奏家さんだけでなく、わたしたち聴き手もそうかもしれませんね!

前半は、それぞれの楽器の個性や愛情が溢れるプログラムとなりました。

後半はシューマンの大曲、ピアノカルテット Es dur Op.47!!

この曲が作曲された当時、障害を乗り越えてクララと結婚したシューマンですが、 そんな彼の情熱と喜び、心の充足を、シューマンの呼吸を感じながら4人で大輪の花を咲かせるように音を紡ぎ出していきます。

そして、ただただ幸せな想いだけでなく、シューマンの複雑な心情を映し出す音の動きを丹念に導き出します。

そして、アンコールは鐵さんのトロイメライ!シューマンの呼吸が心地良いです。 シューマンの世界にたっぷり浸る午後となりました。

うっとり。

そして・・・ 鐵百合奈さんの次回の演奏会は 5月27日(日)15:00〜です!!

ご予約はこちら

"生と死"をテーマにしたプログラムに 本質的な音楽の魅力を感じることができるでしょう。

そして、なんとこの日は美竹清花さろんの設立一周年記念となります! !✨

すべてはバッハからはじまったと言っても過言ではないほどに偉大な作曲家、"音楽の父バッハ" と サロンコンサートで聴きたい、繊細な感性に研ぎ澄まされた"ピアノの詩人ショパン"の音楽。

彼らの作品たちから紡ぎ出される"生と死"とはーー

<当日プログラム>

バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第12番 へ短調BWV857バッハ=久保哲朗:「汝の御座の前にわれはいま進み出で」BWV668ショパン:ポロネーズ第8番 ニ短調 作品71-1(遺作)ショパン:ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送」

<プロフィール>

鐵 百合奈(てつ・ゆりな)香川県出身。東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、同大卒、現在同大学院修士課程。青柳晋氏に師事。第86回日本音楽コンクール第2位、岩谷賞(聴衆賞)、三宅賞。日本クラシック音楽コンクールグランプリ。ローゼンストック/大阪国際コンクール、各第1位。アカンサス音楽賞、藝大クラヴィア賞、同声会賞。皇居内桃華楽堂での御前演奏会、藝大モーニングコンサート、読売新人演奏会等に出演。2017年柴田南雄音楽評論賞(本賞)。ヤマハ音楽振興会、よんでん文化振興財団、岩谷時子Foundation for Youth、各奨学生。

まだ一年とも、もう一年ともとらえらるような一年でした。

記念すべきこの日を鐵さんのバッハとショパンで迎えられるとは・・・

嬉しい限りです。。。



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