top of page
blogヘッダー画像s.jpg
執筆者の写真Misawa Sayaka

【第十七夜】黒川侑&務川慧悟サロンコンサート

初登場 黒川侑のヴァイオリン、務川慧悟のピアノ

デュオの魅力をたっぷりと堪能してください!

昨年、2017年を締めくくる美竹清花さろん最後の主催公演は12月13日(水)

ヴァイオリニスト黒川侑さんとピアニスト務川慧悟さんによるデュオコンサートでした。

こけら落としシリーズもなんと17回目・・・!

すでに年は明けて2018年。

あけましておめでとう、という前に

どうしてもこちらのコンサートのレポートをずっとずっと書きたいと思っていたので、こちらが先です。(ご了承ください!笑)

今回のこけら落としも、今でも鮮明に思い出されるほどの印象的な音楽の時間となりました。

黒川さんが当サロンにいらっしゃったのは、昨年の夏のことです。

以前より務川さんの奏でるピアノの内に秘められた"音"に驚いていましたが、黒川さんのヴァイオリンを聴いたときもまた、その"音"に驚きを隠せませんでした。

力強く芯がある印象的な音。

表現するのであれば「クリアな音」というよりは「明晰な音」というほうがしっくりきます。

それでいて繊細さや温かさも響きの中に豊かに含まれている――

まるで、万人を照らすお天道様の匂いを感じるような温かさ、そんな印象さえ感じました。

そして、その音はまるで黒川さんそのものです!

音楽に対する誠実さや愛情、人や物に対する丁寧さや優しさ、自らに対しては克己と努力を惜しまない、そんな黒川さんのお人柄の素晴らしさが自然と音にも現れていたのです。

今回のプログラムでは、明るい軽快なモーツァルト、しっとりとしたショーソン、毅然としたヴァイオリンの凄さ、醍醐味、すばらしさをたっぷりと味わえるサラサーテやシュトラウスなど、初心者から通の方までが楽しめるようプログラムにも工夫が凝らされています。

<プログラム>

モーツァルト - クライスラー: ロンド ショーソン: 詩曲 Op.25 サラサーテ: ファウストによる新しい幻想曲 Op.13 シュトラウス: ヴァイオリンソナタ Op.18

華やかな曲がずらり!

特に印象的だったのが、シュトラウス: ヴァイオリンソナタ Op.18です。

この曲は当時25才だったシュトラウスによって書かれた曲ですので、黒川さん、務川さんと近い年齢の時に書かれました。(務川さんとはちょうど同い年の頃ですね!)

プログラムに寄せてこの曲について以下のようなメッセージをいただいておりました。

「ブラームスのヴァイオリンソナタは名曲ですが、この曲とは違って彼の晩年の作品です。

しかし、この曲はシュトラウスが若かりし頃に書かれた作品にも関わらず、完成度が非常に高いのです。」

確かに、曲の完成度が高い。

しかし実際わたしたちは、

お二人の演奏の完成度に驚いてしまいました!!

ヴァイオリンの重音は力強く、旋律は輝かしく、エッヂの立った響きでありながら、フレーズの終わりや、ふとしたハーモニーの変化などで時折見られる表情の柔らかさが絶妙です。

黒川さんのそのなんとも言えないバランス感覚に、センスと説得力を感じます。

まるで舞台で歌うオペラ歌手のように聴こえました。

そしてオペラのオーケストラを彷彿させるような務川さんのピアノに、「本当にヴァイオリンとピアノだけのコンサートなのか?」と錯覚してしまうくらい、立体的に音楽を堪能!

以前から感じていましたが、務川さんの“アンサンブルの巧さ”、これには舌を巻いてしまいます。

大ホールのコンサートに行くことが多々ありますが、演奏家との距離がどうしても遠くなってしまうのが、どうしても気になるところです。(もちろん大ホールならではのメリットもたくさんありますね。)

サロンコンサートでは、演奏家と聴衆と空間がまるで一体となるように、音楽を"体験"することができるのです。

それはサロンコンサートの大きな魅力だと再確認するコンサートとなりました。

音楽を"聴く"、ではなく音楽を"体験"する。

理屈でも表面的な要素でもなく、、、

真の体験からでないと"感動"は生まれてきません。

サロンコンサートには感動が生まれる可能性が、実は大ホールよりも秘められているのかもしれない――

その可能性を少しづつ、音楽家さんと、聴衆と共鳴しあいながら、創っていきたい。

着実に伝えていきたい。

そう思います。

ということで…

2018年もコンサートがもりだくさん!

詳細はこちらです→http://mitakesayaka.com/2018.html

サロンコンサートならではの魅力が美竹清花さろんにはあります。

どうぞお気軽に足をお運びくださいませ!


bottom of page